『世界一長寿』で、ギネスブックに載りたいんです。

俺の、数ある目標のひとつです。

そのため、俺よりも先に生まれた方々、あなたがたには、大変申し訳ありませんが先に死んで頂かねばなりません。じゃないと俺、ギネスに載れないでしょ?

基本『死にたくない』んです。

『不老不死』・『永遠の命』ってやつに猛烈に憧れています。

もし、何かの間違いで死んでしまうことがあったとしても、そうだな、最悪の場合でも、最低あと 800年くらいは生きていたい。

理想は、俺のお葬式のときに誰も悲しむ人がいないこと。

「世界一長寿の、誰だっけ? いっせー? あいつ、やっと死んだんだってな?」
「800年も生きてたらしいぜ?」
「800歳? まじヤヴぁくねーか? そいつの頭の中が」
「ねぇママ~。いっせーおじいちゃん、やっと死んだのぉ~?」

『葬式』じゃなくて、『一勢 死去 記念パーティー』を、世界中で開催してもらいたい。

【祝800歳!大往生!】そう書かれた垂れ幕が下がって、花火が打ち上げられまくる。

俺の子孫たちは、俺が数百年間維持してきた偉業「世界一長寿」の座から降りたことで、驚嘆と歓喜と感動に包まれている。

…でもこれは、『死んでしまう』という最悪のシナリオの場合です。

基本、『死なない』ので。

『神の領域』を汚す行為…?

そんな意見こそ、人間の「おごりたかぶり」ではないでしょうか?

もし、神様が存在するとして、「不老不死」なんてものは神の御業の基本中の基本。たんなる自然現象。

スミマセン。それ以下の存在ですね。

不老不死 = その辺に散らかってるゴミ、漂う塵。
もっともっと、それ以下の存在だと思います。

…と、まずは自分の考えの正当性を主張しておきます。

未来を、見たいです。

世界の、いや、この宇宙の終焉の日まで、未来永劫生き続けたい。

今現在は「不老不死」とか「永遠の命」というのは、どちらかというと非常識な概念です。
しかし、数百年後、あるいは数十年後かもしれませんが、科学技術が発達した世界では「不老不死」・「永遠の命」がごく当たり前の世の中になるのではないでしょうか?

俺が生きている間に『不老不死の薬』を完成させてもらいたい。永遠の命を実現させてもらいたい。

SF映画のような世界が現実になる日が、必ず来る。

今現在、考えうる限りのすべての束縛から解放された人類。完全な自由を手にした俺たち。

宇宙中から集まった異星人たちが互いに混じり合い、新たな文化を形成し、さらなる発展を遂げていく。

『地球人と火星人の混血』なんてあたりまえ。
『私の母親は地球人。父は、M78星雲の「光の国」からやってきた。息子はいま、ペテルギウス星人と交際している』

宇宙人(地球人も含む)の平均寿命は 54億3210万歳。

生きるのに、飽きた人のみ、死を望む。

アンドロメダ星雲で発見された未知の食材に舌鼓をうつ。

宇宙空間で、彗星をスピーカーにでっちあげ、太陽系規模の壮大なオーケストラを鑑賞する。

週末の旅行は銀河の中心、ブラックホール。光の速度で旅をする。

「明けの明星」バブルで太陽系の不動産価値が高沸。どこかのお金持ちが銀河をまるまる1個お買い上げ。

彼女への誕生日プレゼントは文字通り、夜空に輝くお星さま。
獅子座流星群を丸ごとぜんぶ、あなたのために。

10歳くらいの少年たちが『宇宙の果て』まで行ける乗り物をプラモデルでも組み立てるがごとく創作。

科学者たちは目下、別の次元に新たな宇宙を作り出すことに躍起になっている。

そんな時代が、必ず来ます。
そんな世界が、必ず訪れます。

未来が見たい。
未来への扉を開きたい。
無限に広がる未来を体験し、夢見たい。
永遠にその世界を楽しみたい。
だから俺は、とりあえず世界一長寿を目指しているのです。
あなたも、そんな未来に興味はありませんか?